2020年6月に乃木坂46時間TV第四弾が放送された。
46時間TVでは恒例の人気企画「乃木坂電子台」。
メンバーがそれぞれ自分だけの冠番組を10分程度作るというコンセプトで行われているこの企画。
どのメンバーも独自の味を出しており非常に良いものだったが、その中でも生田絵梨花の電視台『初めてのヴァイオリン&ギターに挑戦!』はとても興味深い企画だった。
というのも、生田絵梨花がカメラの前で滅多に見せない不完全な部分を垣間見ることが出来たからだ。
生田絵梨花はなぜ天才や怪物と呼ばれるのか
生田絵梨花の多才ぶりは乃木坂ファンなら誰もが承知しているところで今更改めて説明するまでもない。
ドイツ生まれ英才教育育ちの圧倒的お嬢様感、歌唱力やピアノスキル、冠番組に留まらずバラエティ番組や歌番組へのソロ出演、新進気鋭の注目女優として絶える事のないミュージカル出演、写真集は30万部越えの歴史的ヒットetc.etc.
”人気” ”ルックス” ”歌唱力” ”音楽スキル” ”バラエティ能力” ”演技力”
どれをとってもグループトップレベルであり、今の乃木坂に個人の総合力で名実ともに生田と肩を並べることが出来るメンバーは白石麻衣以外には存在しないだろう。
いや、アイドルとしての個人の完成度という観点に立てば生田は白石をも完全に凌駕している。
過去を振り返ってみたところで生田絵梨花ほどの完成度を誇ったアイドルは幾人もいないだろう。
それほどに生田絵梨花はアイドル界において傑出した存在である。
そんな生田をいつからかファンは天才、超人、変人、怪物などと称するようになった。ファンだけでなくメンバーからもそう思われているところが生田の凄さだろう。
長年番組で共演しているバナナマンも生田のことを怪物と評している。
しかし、このような呼称は彼女の本質である”努力”という側面を霞ませる。
長年苦楽を共にしてきたメンバーなら彼女の功績がいかに努力に裏打ちされたものであるかをよく知っているのだろうが、しかしそこは完璧主義の生田である、生半可なものを人前で披露することはまずない。
ファンの前に立つ生田絵梨花は常に完璧である。
生田が多忙を極めていることや圧倒的な努力を重ねていることは勿論ファンも知っている。
しかしバラエティでは常に全力で企画を楽しみ、ミュージカルでは圧倒的な表現力で場を魅了する、料理や画伯キャラなど天然さや欠点までもが全て魅力的に映り、生田絵梨花はまさに完璧な存在となる。
そしてファンである我々は、彼女がまるで最初から完璧であったかのように錯覚してしまう、彼女が血の滲むような努力をしているという事実を知りながらそれに実感が伴わない。
今回の電視台はそんなファンに衝撃を与えた内容だったと思う。
生田の過去の電視台の内容は以下の通り。
- 『フィンランド特集(イエヴァンポルカ)』
- 『Alice in musicland』
- 『世界の民謡シリーズ〜ヨーデル〜』
過去3回のどれもがその発想や企画力、クオリティも含め誰もがまさに『生田は天才だ』と唸るような内容であった。
今回の46時間TV電子台企画は『ヴァイオリン&ギターの人生初挑戦』
企画内容自体は歌唱やピアノ、ミュージカルといった生田の十八番ではなくなったが、何かに初挑戦するというコンセプト自体は過去3回と同じだ。
いくら初挑戦とはいえ生田である、当然今までのような圧倒的な完成度を期待していたのは自分だけではなかっただろう。
果たして結果はどうだったか。
お世辞にも決して上手いと言えるレベルではなく、ヴァイオリンにしろギターにしろ所謂初心者レベルであった。
当然いつも通り圧倒的な練習を重ねたのだろう(そもそも他のメンバーの企画を見れば分かるが電視台のために100時間以上も割くメンバーなど生田だけである)が初心者にこの短時間では厳しかったのである。
本人的にももっと上を目指したかったに違いない。生田がこれほど分かりやすく発展途上状態のまま人前で何かを披露することは滅多に無い。
生田絵梨花ですら圧倒的な努力を重ねる前では他の人と全く同じなのだという当たり前のことを改めて感じたと共に、彼女の華々しい功績が絶え間ない努力に裏打ちされたものであることを改めて実感することになった。
常に生田のそばでその努力を目にしているメンバーが、次々に新たな挑戦をしていく生田の姿に感銘を受け涙を流すのも当然のことだろう。
生田絵梨花は何の天才なのか
天才と称されることの多い生田だが、一体何の天才なのか。
生田を〇〇の天才と称するとき、〇〇に当てはめるのに一番相応しい言葉は何なのか。
多才な生田の場合、当てはまる言葉は沢山存在するが、よく言われている中では
”努力の天才”
という言葉が一番しっくりくる。
今回の電視台で生田絵梨花が努力の天才であることを改めて実感させられたのは先に述べた通りである。
生田絵梨花を努力の天才と称したが、しかし個人的により生田のことを正確に表そうとすると違う表現になる。
生田絵梨花は何ごとにも本気で向き合える天才である。
バラエティ、歌、ミュージカル、全てのことに常に本気。全力疾走。
生田が驚異的な努力を積み重ねることが出来るのは、それが自身の設定した目標へ到達するために最適な手段であると分かっているからではないのか。
未知のものに挑戦するときに生田がよく口にする言葉がある。
「根拠のない自信はあります」「自信だけはあります」
この自信は過去の成功体験に基づいているに違いない。
完全に個人的な推測でしかないのだが、恐らく生田は、自分で設定した目標ならば今まで必ず達成してきたのではないか。
どんな目標でも自分なら必ず達成することが出来るという過去の成功体験が自信を生み出しているに違いない。
これはどういうことかというと、実に単純な話で、生田は途中で幾ら失敗しようとも成功するまで何度でも全力で向き合い続けるのである。
生田が幼少期にミュージカル『アニー』を観劇しミュージカル女優を志したのは有名な話だが、実は乃木坂加入前は子役をしており、またオーディション落選も経験している。
そしてアイドルになるつもりはなかったが乃木坂に合格しアイドルになった。アイドルになってからは運営にミュージカルとの両立を反対されたため自分で勝手にミュージカルのオーディションに応募。現在では若手ミュージカル女優として華々しい活躍を見せている。
夢半ばで壁に当たったとき、多くの人はそれを「目標の失敗」と捉えて夢を諦めてしまうかもしれない。
しかし生田はそれを「プロセスの失敗」と捉え、新たな方法を模索し再び目標に向かって走り出す。
夢半ばで一定の成功を収めたとき、絶対にそこで満足せずに自分が目標としたところまで全力で走り続ける。
目標に到達するまで、全力で、本気で、向き合い続ける。
「出来るか出来ないかじゃなくやるかやらないかだ」を正に体現しているのである。
最初に描いていた方法ではないかもしれない、当初の計画とは違うかもしれない、しかし生田絵梨花は最終的には必ず成功する。
この過去の成功体験が生田の根拠のない自信と強烈な自己肯定を生み出しているのだろう。
そして生田のこの成功するまでやり続けるというマインドが絶え間のない努力に繋がり、結果的に生田の様々な才能の開花に寄与しているに違いない。