乃木坂46とバナナマンの関係性を考察「公式お兄ちゃん」としての信頼

乃木坂46とバナナマンの関係性を考察「公式お兄ちゃん」としての信頼

乃木坂46を語るうえで外すことができない「公式お兄ちゃんバナナマンの存在。

今回はそんな乃木坂とバナナマンの関係性について改めて考えてみた。

「公式お兄ちゃん」という関係性

アイドルの冠番組のmcを芸人が務めることはよくある話で、例えば、AKB48バッドボーイズウーマンラッシュアワーアイドリングバカリズム、現在だったら欅坂土田澤部日向坂オードリー

その中でも乃木坂バナナマン「アイドル」「芸人」という両者の関係においての最たる成功例と言うことが出来る。


バナナマンと乃木坂の仲が窺えるようなエピソードはいくつも存在する。

  • バナナマンは乃木坂のライブがあれば都合のつく限りほぼ毎回参加
    (日村がライブ中に踊っている様子はよく番組でも放送されている)
  • 逆にバナナマンの単独ライブを乃木坂メンバーも観に行っている。
  • バナナマンの他番組でも共演(「youは何しに」などほとんど乃木中のような感じで共演することも)
  • 乃木坂のライブに参加。影ナレで出演、潜入企画などを行うことも
  • バナナムーンで頻繁に乃木坂の話題を取り上げ、特にメンバーが卒業発表をするとほぼ必ずそのメンバーについて話す。バナナムーンに乃木坂メンバーがゲスト出演したり、グアムからの中継を行ったことも。
    最近では46時間TVとの生中継も行われた。


余りにも数が多いため箇条書きでまとめたが、バナナマンと乃木坂の関係性を特に象徴するようなエピソードを幾つか深掘りしていきたい。

I 乃木坂ってどこ?降板説

長年放送された冠番組「乃木坂ってどこ?」が終了し、番組が乃木坂工事中にリニューアルする時の話。
当初2人の事務所側は、多忙を極めるバナナマンのことを考え番組を降板する予定で話を進めていた。
しかしバナナマン本人の『乃木坂は妹みたいなものだから成長を見守っていたい』という進言により「乃木坂工事中」での続投が決定した。
これには秋元康も755で感謝の意を表している。
バナナマンの乃木坂への愛情の深さを物語るエピソードの1つである。

II ヒム子とインフルエンサー

2017年のテレ東音楽祭で、ゴッドタンの人気キャラ「ヒム子」と乃木坂46による「インフルエンサー」コラボが実現した。
テレ東音楽祭では本番しかオンエアされることはなかったが、乃木坂工事中では練習から本番までのヒム子の様子が二週に渡ってオンエアされた(乃木坂工事中#113〜#114)
芸能界でもトップレベルの多忙さをほこる日村が乃木坂のためにダンスの練習をし、さらにテレ東音楽祭だけでなくその後の神宮ライブでのサプライズ出演も行うことになった。
まさにバナナマンの乃木坂への想いが垣間見えた企画である。

この企画は乃木坂からバナナマンへの想いが見えた企画でもあった。テレ東音楽祭の本番前に日村にダンスを教えている衛藤や飛鳥、本番後に日村と談笑している白石。
神宮で日村が登場した瞬間に目を輝かせる西野(あんなに目を輝かせた西野は握手会では絶対に見れない)。本番後の桜井の感情が溢れるようなコメント。
さらにファンの盛り上がりや反響の大きさも含め全てが最高の企画でありバナナマンと乃木坂の関係性の関係が非常によく表れていた。

III 紅白歌合戦

バナナマンが初めて紅白ウラトークへの出演を決めた2014年は乃木坂46も紅白歌合戦初出場が濃厚視(というよりほぼ確実視)されていた。
公式の発表前に一部では内定報道なども出ている状態であった。

当然ファンは乃木坂とバナナマンの紅白W初出場を想定していたわけだが結果的に乃木坂は願い叶わず。
当時AKB48を兼任していた生駒だけがAKBとして出場する形になった。その後のウラトーク席で生駒とバナナマン は『来年は乃木坂全員で出場しよう』と語っていた。

翌年、乃木坂は君の名は希望で念願の紅白初出場を果たす。
ここから15年16年17年と乃木坂とバナナマン は紅白でも共演をし続ける。
乃木坂の出番中は大声で応援し、出番が終わった後もウラトークで乃木坂の話をして、ウラトーク席のゲストに乃木坂が登場したときには紅白そっちのけで喋り続けていた。
16年のインフルエンサーではヒム子との共演も話題になった。
17年は橋本奈々未の卒業シングル「サヨナラの意味」を披露するということもあり橋本とのエピソードなどを多く盛り込み、本番中にも会場に響き渡るほどの大声を出して応援していた。

そして2018年の紅白歌合戦。
この年の披露曲は帰り道は遠回りしたくなる
この年から紅白ウラトークの司会はバナナマンからサントウィッチマンと渡辺直美に変更されていた
乃木坂の曲披露前、卒業する西野へのサプライズとして司会の広瀬すずが両親からの手紙を代読。そして大阪の西野の実家へ行き手紙を受け取ってきたのがバナナマンであることが告げられ驚くメンバーが映し出される。
超多忙であるバナナマンが年末の多忙な時期にわざわざ大阪の西野の実家まで足を運んでいたという事実だけで大きな愛を感じることができる。

メンバーは驚愕と笑顔を顔に残したまま楽曲の披露へ。
そして曲披露も中盤に迫った頃、裏トーク席に異変が。
西野の最後の舞台だからとバナナマンが割って入ってきたのだ。これには流石に驚きを隠せない様子のサンドウィッチマンと渡辺直美。
そして『なんで座っての!盛り上がらなきゃ』と大声で乃木坂の応援を始めるバナナマンの2人。楽曲披露が終わり、総合司会内村光良の『バナナマンがきてくれたぞー』という声で一斉にウラトーク席のバナナマンに気付く乃木坂メンバー。
喜びに顔を綻ばせながら目に涙を溜めているメンバーの多さが両者の関係性を象徴していた。

なぜ、「公式お兄ちゃん」になれたのか

乃木坂とバナナマンの関係性を象徴するようなエピソードを幾つかまとめてきたが、ここからは両者が何故そのような関係性になったのかを考えていきたい。

I 教育者としての側面

乃木坂46とバナナマンの歩みは、2011年乃木坂ってどこ?」の収録開始と共に始まった。
結成直後のまだデビューすらしていないタイミングで開始したのが乃木どこである。乃木坂にとっては一番最初の共演者がバナナマンでありバナナマンにとってもアイドル番組のmcをするのは初の経験であった。
乃木坂はデビュー前の黎明期からバナナマンにバラエティを叩き込まれるようになる。
初期の乃木どこは芸人をゲストに迎え、バナナマンから直接エピソードトークコント雛壇芸などのバラエティの基本を教えてこまれるような企画が多かった。
今でこそ丸くなり乃木中でも親戚のおじさん目線のようなバナナマンであるが、当時は設楽がバラエティ的にキツくあたり日村がフォローするという形が出来上がっており、一期生は毎収録泣きながらこの時期にバナナマンにバラエティの基本を叩き込まれたと言える(井上や西野などはその象徴)。

バナナマンが収録中にバラエティ的アドバイスをメンバー個人にすることは昔より減少したが、リモート収録で出演人数が減り個人にスポットが当たりやすくなった為か、最近の乃木中でも昔のように個人にバラエティ的アドバイスをするところが見られた。

メンバー(特に一期生)にはバナナマンに成長させて貰ったという感謝の念が大きいに違いない。

II 立場

乃木坂とバナナマンの関係に関しては、バナナマンの方が芸能界で常に上の立場にいたことが良い影響を与えたと考えられる。
乃木坂が結成し乃木どこが始まりバナナマンと共演し始めた2011年というのはちょうどバナナマンが大ブレイクする前のギリギリの時期であった。この時期にバナナマンをmcに据えることができたのは乃木坂の運の良かったところだろだ。
乃木坂も爆発的速度で大きくなり国民的アイドルとして個人仕事なども多くなったが、しかしそれでも芸能界においてバナナマンは圧倒的上に存在する。
乃木坂が幾ら成長し大きくなっても、常にバナナマンの方が上にいるという状況がバナナマンへのリスペクトを保ち続ける要因の一つにもなっているだろう。
これが収録に緊張感を与え、また乃木坂の謙虚な姿勢を保つことに一役買っているのではないか。

III 選抜発表

デビュー前から10年近く共演し続け、成長を見守ってきたバナナマンは乃木坂にとっていわば教育者、保護者的側面を持つ。
しかしそれでも月に一度か二度しかない収録の中でここまでの関係になれたのは選抜発表が与えた影響が大きいと考えられる。
今でこそ選抜発表に初期ほどの緊張感と悲壮感、重苦しい空気は存在しないが、当時の空気感の中、メンバーがバナナマンに胸の内を明かし、それに対しバナナマンが一人一人に言葉を送るという儀式は両者の信頼関係を相当に高めたはずた。

スキャンダルを引き起こし選抜への影響が噂されていた松村との11th選抜発表でのやりとりや、ファンに罵声を浴びせられた星野へフォローの言葉をかけた14th選抜発表などは余りにも有名である。
初センターで涙ぐむメンバーをフォローしたり毎回アンダーになったメンバーにも声をかけるなど、選抜発表という場でバナナマンに救われたメンバーは数多くいるに違いない
橋本や生駒など卒業メンバーとのスリーショットトークからも両者の信頼関係が窺える。
メンバーの苦悩に寄り添うような言葉をかけてきたバナナマンだからこそ絆を深めることが出来たのだろう。


バナナマンはメンバー全員と満遍なく信頼関係を築いているように見えるが、長年共にやってきた一期生への思い入れが一番深いこともまた事実であろう。
ほとんどの一期生が卒業してしまった現在、バナナマンがいつまでmcを務めてくれるかは分からない。
乃木坂46にとって、どのメンバーの卒業よりもバナナマンの卒業が一番影響が大きいのかもしれない。

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